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被災した子どもたちに、お話を通して向き合うために

オランダのストーリーテラー、ウィム・ウォルブリンクから

被災した子どもたちに、お話を通して向き合うために。

※ 聞き手・翻訳:米屋香林(オランダ在住)


まず最初のステップとしてウィムが大切だと考えるのは、大人がストーリーを語るということよりも、地震や津波などを実際に体験した/見聞きした子どもたち彼らに、彼らの体験を語らせてあげることです。どんなことを体験したのか、見たのか、聞いたのか、、、震災を実体験したこどもたちは、その体験から得た気持ち、思いを内に抱えて一杯一杯です。それらがまず認識recognizeされることが大切です。消化すること。いっぱい一杯の状態の中では、そこに新たなものを取り入れるだけの余裕がありません。

その最初の段階を終えてから、回復recoveryする気持ちpower to continueへと繋げていく、第二のステップに入ります。そのときには実際に大人がストーリーを語ることtelling storiesではなく、ストーリーを通してワークするworking with storiesとよいでしょう。例えばウィムだったら、山火事の中、勇敢に森の動物達を救おうとする鳥のおはなし、地震にあい津波が来ることを察知したoldmanが村人たちを救ったおはなし、、そのほかにも、ワークするとよいであろうストーリーはたくさんあるとのことですが、大人が子どもたちにストーリーを通してワークするときに一番肝心なのは、その大人が「これだ」と思う、心から納得いく、自分のものとなっているストーリーを用いる事です。なぜなら子どもたちがストーリーの力を感じるのは、それを語る大人本人の心が伝わるからで、それを通して子どもたちはそのストーリーと本当に向き合ってワークすることが可能になるからです。

最初のステップ、次のステップ両方に関して、アプローチの仕方/レベルは様々にあります。年齢によっても様々です。粘土を使ったり、絵を描いたり、木工、手芸、ミュージカルや演劇、、様々にあります。例えば第二のステップでタワーや町を粘土で作ったとしましょう。それを一度、壊します。それからまた、タワーなり町を作り直すのです。作り直す時、そこには彼らの気持ちのためのスペースもなければいけません。家族や友達、知り合いがいなくなってしまった、そのことに対する喪失の思いは常にあります。回復のプロセスに入っている中でも、いなくなった人々が思い出される、記憶に留めておけるスペースも確保される事です。悲しみや怒り、恐れなどの気持ちも含めて身体でphysically表現する事は大切です。

これがウィムの考えです。わかりづらい表現などもあるかと思うので、ウィムの思いが誤解のないように伝わるといいのですが。

Comment:3

諏訪耕志 2011/03/31 23:52
ウィムさん、香林さん、どうもありがとうございます。
これからは、物質的な支援からゆっくりだんだんと内的な支援・サポートに重点が移ってくると思うのですが、とても実践的な視点を教えてくださいました。
こころより感謝します。
佐藤雅史 2011/04/04 13:05
香林さん、とてもいいアドバイスだと思いましたが、ひとつだけ、気がかりがあります。

アドバイスの冒頭で、「彼らの体験を語らせてあげることです」とありますが、日本のメンタルケアの専門家の談話では、被災体験を直接的に引き出すべきでないということが言われています。

日常的な会話からはじまって、ここでは話していいのだ、ということが了解されて、自発的に被災者が語り始めるのを待つべきである、とされています。

そのプロセスについて、このアドバイスではとく触れられていないので、もしかしたら誤解を招くかもしれないと思いました。

その点、確認をとってみてください。よろしくお願いします。
米屋香林 2011/04/04 13:07
そうですね。確かに誤解を招く可能性はあると思います。

もちろん無理に子どもたちから話を引き出すことはよくないと思いますし、ウィムにも無理を強いるような意図は全くないはずです。

子どもたちが自発的に話しだす、描き出す、そんな環境を作ることや、子どもたちが「この人になら話したい、話せる」と思えるような大人の存在が必要でしょう。

ウィム自身メンタルケアの専門家ではもちろんないですが、多分にウィムが言わんとしたのは、大人が子どもに語る事に焦点をおくよりもまず大切/必要だとウィムが思うのは、被災した子どもたち自身がその思いを語れる場所/環境を作ってあげる事、、ということではないかと思います。

取り急ぎ。
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