代表あいさつ
にも代表 小林裕子より 皆様へのごあいさつ
私ども《にも オーケストラ・オイリュトミー プロジェクト》は、ドヴォルザーク作曲交響曲第9番「新世界より」の公演へ向け、2021年夏に発足いたしました。日本では初となるオーケストラによるオイリュトミー公演の実現に向け、全国各地から集まったオイリュトミストたちは、日々の練習に励んでおります。
この厳しい時代にあって、〈にもかかわらず 生きる〉困難や勇気を、希望や祈りを、それが心の歌となり全身の動きとなって羽ばたいていく喜びを、私たちはオイリュトミーを通して多くの方々と分かち合いたいと願っています。
オーケストラオイリュトミーでは、私たちは弦や管・打楽器など異なる特徴を持つ楽器から生まれる「うた」となって動きます。ゲーテの色彩論に基づく照明には、あたかも「色が生まれる瞬間」を体験されることでしょう。総勢26名によるオイリュトミーアンサンブルが響き合い多彩に織りなす空間を、お楽しみいただければ幸いです。
小林裕子 … にもプロジェクト代表, 芸術監督。米スプリングヴァレー・オイリュトミー学校修了。 2005年、ドロテア・ミアーが率いるオーケストラ・オイリュトミーツアーにオーボエとクラリネット・パートで参加。
ウェルカム・メッセージ
特別顧問 ドロテア・ミアーより
かつては毎夏、スイス・ドルナッハで交響曲をオイリュトミーで行う公演が行われていた時期もありましたが、現在では、オーケストラオイリュトミーは日常的なイベントではありません。とても大きな特別なイベントです。26人ものオイリュトミストが関わる公演は、本当に貴重です。このようなプロジェクトがある、ということはなんと素晴らしい贈り物であることでしょう。
初めてオイリュトミーを観る方にとって、すべてが驚くことばかりかもしれません。
オイリュトミーを観るときには、ひとつのコツがあります。それは、「聞くように、観る」ということです。一人ひとりのオイリュトミストが何をしているのか見るのではなく、全体の動きを包括的に見るのです。それぞれのオイリュトミストの動きは、全体のためにあります。動きの流れがどこからどこへ向かっているのか、見て、感じて、みてください。
また、オイリュトミーはダンスとは違う、ということを念頭に見てみましょう。ダンスでは、観る者の視線は足の動きに向かうことがありますが、オイリュトミーのなかでは腕が表現の中心です。そして、その動きは型への追求ではなく、いかに腕の動きが、歌としての流れを表現できるか、ということもひとつの特徴です。
そして、その動きを心で観て聴くことも、とても大事なことです。「私は今何を感じているのか」か、自分に問う作業です。何を感じているか分かるのは、もしかすると公演中ではなく、一晩寝た後かもしれません。オイリュトミー公演を見た後にはよく起こるのですが、体験を眠りに委ねた後で初めて、その影響が残響のように響くのを体験することでしょう。
このとても特別な公演を、どうぞお楽しみください!(談)
ドロテア・ミアー … 1980年スプリングバレー・オイリュトミー学校長就任。1986年より巡業公演舞台グループの芸術監督、パフォーマーとして活躍。2005年、ドヴォルザーク『新世界より』のオーケストラ・オイリュトミー公演芸術監督として、全米・カナダ巡業公演を成功に導く。
にも プロジェクト * メンバー紹介
オーケストラ作品出演
石浦江利砂・キャサリーン, 市川聡子, 岩重七重, 岡本千寿子, 倉田智子, 幸田朋子, 小林裕子, 清水隆陽路, 関矢ひとみ, 瀬戸清美, 橘裕子, 田原眞樹子, 得永弘子, 冨岡五月, 鳥越結花, 中谷三恵子, 林久美子, 藤井馨子, 松山由紀, 山本みちる, 横手千代, 吉野一恵, 脇元利恵子, 渡辺志保
特別出演
上松惠津子, 加瀬明子, 高久真弓, 平井正子, 吉越明美
プロジェクトに寄せられた声
待望のプロジェクトへの期待を込めたメッセージ
この困難で暗い時代に、日本で活動するオイリュトミストたちがオーケストラの作品をオイリュトミーで表現しようと決意し、集いました。それは何年にもわたる祈りの行為として、つつましくもたしかな響きとして感じられるではありませんか。時の流れのなかで、動く祈りを通して構築されていく作品が日本で紹介される日を心待ちにしています。
上松 惠津子(オイリュトミスト,東京オイリュトミーシューレ代表)
なんと心踊る企画だろうか。日本各地から総勢26名のオイリュトミストが集結し、オーケストラの音楽とともに舞台上で躍動する。想像するだけで、身体の奥底から不思議と活力が湧いてくる。
井藤 元(東京理科大学教授)
しかも選曲が素晴らしい。「新世界より」は、アメリカに3年間滞在したドヴォルザークが故郷に向けて書いた曲である。つまり、「新世界」とはアメリカのことを指すわけだが、そんな作品の由来は脇へ置き、このタイトルの意味を別様に解釈したくなってくる。
コロナ禍を経て、次なる時代、「新たなる世界」を切り拓く力強い追い風をオイリュトミストたちは私たちにもたらすのではないか。まさに時代が待ち望んだ舞台だといえる。公演の日が今から待ち遠しい。
ドイツ留学中にフルオーケストラとのオイリュトミーグループ公演を観る機会がありました。オーケストラのそれぞれの楽器の特徴がオイリュトミーに現れていて、曲全体を少人数で演じるのとは違う醍醐味がありました。日本でオーケストラとのオイリュトミーを観ることができること、とても楽しみにしています。
吉良 創(南沢シュタイナー子ども園代表理事,滝山しおん保育園園長,日本シュタイナー幼児教育協会理事,ライアー響会代表)
子どもの個性を引き伸ばしながら、知的な学びと同時に芸術的な力を育んでいくシュタイナー学校で、オイリュトミーは、特別大切な意味を持つ科目です。
鳥山 雅代(東京賢治シュタイナー学校オイリュトミー教師)
音楽や言語を身体で表現することで、その中に潜んでいる力が花開き、子どもの一人ひとりの中に潜在する能力が活発に動き出します。しかもそれらを仲間とともに、動くことで、驚くほど、子どもの社会的能力が養われていきます。つまりオイリュトミーはシュタイナー学校において、頭と心と体のバランスを育成する運動芸術の教科なのです。
オイリュトミーの中に潜んでいるものは、彫刻芸術の中にも、絵画芸術の中にも潜んでいる形成力と全く同じ力であり、それらの力は全て、人間の人体の中から生まれた生命のプロセスなのです。その生命のプロセスが動きを通して解き放たれていくことで、育ちゆく人間がより深く芸術の中に入り、真の芸術に出会う可能性が生まれます。それは本当の自分に出会うプロセスでもあるのです。この生命のプロセスを表現するオイリュトミー芸術を舞台芸術として鑑賞することで、鑑賞者の中の創造力が刺激されます。そして鑑賞するものも同じ創造者として、クリエイティブな力を自分の中に生み出すことができるのです。
だからこそ、大人だけでなく、オイリュトミーは子どもにとって授業としてだけでなく、鑑賞する対象としても、とても大きな教育的作用をもたらすのです。しかも、舞台の上で大人数のオイリュトミストを壮大なる音楽と共に体験できる事はこの上ない大きなチャンスだと言えるでしょう。一人でも多くの方にこのオイリュトミー芸術を体験していただければ、この混沌とした時代の中でも、希望の光を私たちの中に見つけることができるでしょう。
なぜなら、オイリュトミーは「調和を持った美しいリズム」であり、調和のあるリズムから「時代を動かす原動力」を一人一人が自分の中に生み出すことができるからです。
ぜひオイリュトミー公演にたくさんの方々が足を運んでくださることを心より願います。新たな時代に向けて、創造的力をこの公演をきっかけに、私たちの中に再発見していきましょう。
“セリフを覚える”という行為がニガテだ。俳優をやっていて一番苦しい時間かもしれない。一方オイリュトミーの朗誦ではいつの間にか覚えている。なぜだ。ああそうか、オイリュトミーでは身体と言葉が本質的に共鳴しているんだ。音を、体験しているからだ!
角田 萌果(俳優/劇団青年座所属/新国立劇場演劇研究所10期卒業,シュタイナー学園卒業,作詞も行う)
オーケストラ。重厚な音の連なりとオイリュトミストの身体が共鳴したとき、どんな波動が広がるのか。とても楽しみにしている。
初めてオーケストラオイリュトミーを観たのは、若者たちによるベートーヴェン第五交響曲。若い命と友愛の動きが空間を満たす、まさに「運命が動く時」でした。日本で初めてのオイリュトミストたちによる公演、その実現への努力と協力は、時代の暗さに灯りをともす光です。
はたりえこ(オイリュトミスト,日本シュタイナー学校協会代表)
後援/ご支援
多くの団体より後援をいただいております
- 愛知シュタイナー学園
- オイリュトミストの会
- 教育オイリュトミーの会
- 相模原市(第1公演後援)
- なおび幼稚園(学校法人荒畑学園)
- 日本オイリュトミー療法士協会
- 東京オイリュトミーシューレ(オイリュトミスト養成)
- 日本アントロポゾフィー医学の医師会
- 日本シュタイナー学校協会(JWSA)
- 日本シュタイナー幼児教育協会(JASWECE)
- 福岡シュタイナー学園
- 府中市(第2公演)
- 日本ライアー響会
- 普遍アントロポゾフィー協会 邦域協会日本、マリア支部
クラウドファンディングでご支援いただきました
プロジェクトをご支援ください
クラウドファンディングを実施中です(終了しました)
オーケストラとの大がかりな舞台をつくっていくために、多額の準備資金を必要とします。メンバー一同、精一杯の持ち出しをしていますが、質の高い舞台づくりのために、また余力をもって本番に臨むために、皆様よりご支援賜りたく、お願いします。
詳しくはクラウドファンディング案内ページへ。
にもプロジェクト友の会、広報サポーター
にもプロジェクトを応援して下さる「友の会会員」および広報サポーターを募集しています。