シーケンサーについて
Created by Masashi Satoh | 11/20/2025
はじめに
加算機による自動計算に使用したシーケンサーの作り方について、詳しく紹介します。
授業への応用の仕方については、本編の「リレーによる加算機回路製作の詳細」をご覧ください。
この簡素なシーケンサーにより、コンピュータの学びが飛躍的にダイナミックなものになります。初歩的な電子回路の知識と工作能力があれば作れるので、ぜひ挑戦してください。
回路図

以下に回路図のPDFを公開します。これは試作として作成したプロトタイプバージョンの回路図で、シフトレジスタの出力にやや無理のかかる設計です。
改良版の設計もできていますが、まだ実際に作成して試験していないため、確実に動作するプロトタイプのほうを公開することにしました。
この回路で、10年以上問題なく動作しているので、このまま作っても支障はないものと思います。
回路図ダウンロード
製作上の留意点
- 回路図ではLEDに抵抗をつないでいますが、わたしはすべて定格電圧5Vの抵抗内臓タイプのLEDを使用しました。OptSupply社のOSR6LU5B64A-5Vです。抵抗内臓タイプが入手できない場合は、回路図通りに抵抗を挿入してください。
- シフトレジスターの出力を加算機のリレーを駆動する12Vの電圧に変換する小型リレーは、74HCシリーズの出力で駆動できる仕様のものを選びます。わたしはOMRON社のG5V-1 DC5を使いました。小さな電流で動作するリレーが入手困難な場合は、トランジスタのバッファ回路を介して駆動します。
- 回路を構成するユニバーサル基盤は、15.5mm x 11.5mmのサイズのものを使いました。取り回しを考えると、これは適当なサイズと言えます。
- 接続する加算機のリレーには、すべてサージ電圧抑制用のダイオードを入れておかないと、シーケンサーが誤動作することは別ページに書いた通りです。
- 完成したシーケンサーはケースなどには入れず、そのまま用いています。コンピュータの内側を探求する授業の気分を維持するには、それがふさわしいと考えます。
- LEDの画素数は8 x 3が、見通しの良さと操作性の観点から、ベストだとわたしは考えています。技術畑出身の先生だと、もっとできると、いろいろな欲が出てくるだろうということは理解します。しかしながら、何が本質なのかを考え、常に抑制的であることが教育には必要なのです。

プリント基板作成の可能性について

ここで紹介したシーケンサーに関して、故障に備えて予備を用意しておく必要性があると私は感じており、この授業の普及のためにも、プリント基板をつくりたいなと考えています。
CADを使ったアートワーク作業の時間とスキルがわたしに不足しており、いつになるかは明言できず、そこは心苦しい限りです。
ヴァルドルフICTカリキュラム-インデックス
- ヴァルドルフ/シュタイナー教育におけるICTカリキュラムの骨格を形づくる
- The History of Computers(Currently being produced)
- リレーによる加算機回路製作の詳細
- シーソーによる論理素子
- クロックとメモリー
- Learning about telegraph equipment(Currently being produced)
- シーケンサーについて
- About the Battery Checker(Currently being produced)
- インターネット
- Learning Data Models(Currently being produced)
- Learning Programming and Application Usage Experience(Currently being produced)
- Human Dignity and Freedom in an ICT-Driven Society(Currently being produced)


